どこでビッグになるべきか。
音楽雑誌界のレジェンド、MUSIC LIFE。編集長だった東郷かおる子さんのQUEENを日本に売り込んだ話がとても好きだ。母国UKではイマイチ売れないQUEENを女子にウケるバンドとして日本に紹介し、世界で先行ブレイクさせた逸話は、今もなお語り継がれている。まさに先見の明があるというやつだ。NHKのSONGSでのインタビューでも東郷さんは、してやったりっという表情をされていた。
BON JOVIしかり、日本でヒットしてから世界でヒットするという流れが過去にはたしかにあったのだ。
“Big in Japan”
日本だけで売れた洋楽ミュージシャンをさすことば、ということを最近はじめて知った。
QUEENやBON JOVIがこの類に入るとは、思えないが、ぼく世代で一番しっくりくるのは、80年代、日本だけでしかも一発屋だったG.I.ORANGEだろうか。日本でアイドル枠で扱われ、サイキック・マジックがヒット。おそらく母国イギリスではデビューしていたかどうかもあやしい。
でも、外国でヒットを飛ばすだけでもじゅうぶん成功に入ると思うし、日本はマーケットとしてはビッグな方なのでビッグアーティストの仲間入りといっても言い過ぎではない。もしもアメリカやイギリスだけでブレイクした日本のミュージシャンが日本に紹介されたら、凱旋とか逆輸入とか言われながら、鳴り物入りで紹介されるかもしれない。大海を知らないカエルでも井戸の中でビッグならいいし、牛のおしりより鶏のくちばしでありたい、そんな立ち位置もステキな生き方ですね。