わびさびつくひび。

ことば、おと、しょく、たびなど。

見えないものも乗っている。

飛行機の座席は迷わず通路側を選ぶ。窓から雄大な北海道を見たいし、富士山が見える座席も確保したいという気持ちはあるけれど。真ん中の席は、両手に花状態でない限りは絶対に避けたい。ある太平洋の島国行きの飛行機で小錦と曙みたいな地元の方に挟まれ、その圧迫感たるや筆舌に尽くし難かったから論外だ。その点、通路側は、トイレにいつでもいける、荷物を取り出しやすい、CAと会話がしやすい、降りやすいなどメリットばかりだ。ぼくにとってはだけど。

 

飛行機の座席に、電車のボックスシートのような旅客が向かい合う形態のシート配置があるらしい。正確には、商用になっているかわからないけど、ある外国の会社が特許申請をしたとのこと。

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ぼくが田舎者だからかもしれないが、飛行機での旅行や移動は他の乗り物よりも特別感がある。でも知らないひとと向き合う状況だったり、上司とずっと向き合わなきゃならなかったりするならば、想像しただけでゾッとするなぁ。

飛行機のなかは、もの思いにふけったり、コピーを考えるときもあるし、自分自身と向き合う時間だ。そんな空間が他人と向き合う時間になったらツライ。窓側がよいか、通路側がよいかとは次元が異なるはなしだ。

空間を効率よく使うアイデアとしてはアリなんだろうけれど、旅客機はヒトの肉体の輸送ではなく、有名なコピーを引用すれば、「愛とか、勇気とか、見えないもの」をもったヒトを乗せていると考えると、こういうデザインはうまれないのかもね。