わびさびつくひび。

ことば、おと、しょく、たびなど。

シーンとした会話。

三連休をゆっくりと過ごしている。実際には金曜日も有休だったので四連休だ。年末年始の連休はもっと長かったけれど、大掃除やら年賀状やら実家への挨拶やらで休みというよりは仕事ならぬ私事であっという間に過ぎてしまう。その点、いまはホントの冬休みという感じで、寝正月を取り戻しにかかっている。

 

長く家ですごしていると、長い付き合いの嫁との会話がもたない。お互い好きなことをしながら、必要最小限の声かけでほぼ一日が終わる。ほかの夫婦はもっと会話があるんだろうな、なんて思いながら、これはこれで心地よいわけだし、でも子供が独立したら、ふたりでどんな生活になるんだろうとか、少しの不安もなくもない。

 

糸井重里さんと歌手の岡村靖幸さんの対談をみて、話さなくてもいい幸せのカタチってあるんだなと思った。

糸井さんは、独身の岡村さんに結婚はいいよ、と勧める。それは好きな食事を夫婦無言で食べられるからだと言う。友人や同僚との食事は、どうしても気をつかって会話をしながら過ごさざるを得ないけれども、夫婦間では言葉なしに純粋に食事を楽しめる。だから、結婚はしあわせだと説くのだ。

 

沈黙は金、雄弁は銀、という言葉があるように、静かな食卓にも、会話のない夫婦にも、ことばにはならない信頼とか安心の空気があるのだろう。シーンとしてるのも会話なのかもしれない。物言わぬ食卓を楽しみたいな。