わびさびつくひび。

ことば、おと、しょく、たびなど。

嵐のあとに。

台風は、性格の穏やかな温帯低気圧にかわり、ツメ跡も残さず、暑さだけを残し、いなくなった。夏を置き忘れたクローサ一家のおかげでもうすこし夏を楽しめそうだ。

嵐の前の静けさ、とか嵐の後の静けさ、とか言うけど、この慣用句をもじったこのコピーが好きだ。

「チラシのあとの、静けさ。」

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2001年TCC新人賞に輝いた、九州の折り込みチラシ製作会社の広告(コピーライター:國武秀典さん)。よく聞くフレームを使ったコピーはよく効く。見つけた時は、してやったり!だったんだろうな。グラフィックもいい。売り切れた商品が10円のセロリという普通バカ売れしないものをあえてチョイスしてるところもユーモアがあるとなぁ思う。

うまくて悔しいから、このフレームでほかになんかないかな、と考えてみた。

おもらしのあとの、静けさ。

赤ちゃんの紙おむつのコピーに使えないかな、なんて。でも本家にはかなわないですね。

台風一家。

台風10号が北海道に近づいている。その名をクローサ。名前からして接近前提でイヤだなと思っていたら、鶴を意味するカンボジア語らしい。台風の名前って14ヶ国が加盟する委員会で決められるローテーションどおりに命名されてるんですね。ちなみに日本は、台風14号が来ちゃったらカジキという名前になり、以降は14番目おきにカンムリ、クジラ、コグマ、コンパス、トカゲ、ヤマネコ、コイヌ、ヤギ、ウサギときて、またカジキに戻る。なんとも不思議な名前だな、と思ったら日本は星座から名前をとっているよう。

被害はライジングサン初日中止だけにとどめて、過ぎてほしいけれど、子供のころ、台風一過を台風一家だと思っていた僕からすると、台風ファミリーは、夏を養子にとりながら、どんどん北上していく気がするなぁ。「ナイフで切ったように夏が終わる。」という80年代のパルコの有名なコピーのように、特に北海道の夏はその境目がはっきりわかるくらい潔く終わってしまうし。

夏はダラダラ続いてほしいと思いたいけど、限りがあるから、「ずっと」なんてないことを、こどもたちは夏から教わる。

というコピーが刺さるんだよなと思う。でも、夏よ、もうちょっとだけ、ここにいておくれ。(なつぞらウッチャンのナレーションっぽく)

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北から南へ。

地元、コンサドーレ札幌を盛り上げてくれた小野伸二選手が札幌を離れ、沖縄の地に旅立った。J2からJ1への昇格やJ1での踏ん張りに大きく貢献したのは言うまでもない。

https://www.consadole-sapporo.jp/news/20190854079/

2001年、僕がオランダに住みはじめ、まもなくして小野選手は、浦和からロッテルダムを本拠地とするフェイエノールトへ移籍。翌年の日韓ワールドカップを日本でみられず悶々とした気持ちで渡蘭した僕にとって、それはそれは、うれしいニュースだった。オランダに住む仲間が増えた、と勝手に思っていたし、何より周りから大きな期待をかけられたチャレンジャーとして、日本からやってきた姿に勇気づけられていた。

小野選手はフェイエノールトの中心選手として大活躍。そんな時期のカローラフィールダーのテレビCMは、僕の好きなCMのひとつだ。小野選手と女の子のオランダ語でのやりとりが微笑ましい。使い慣れてない言葉だけど、これがエモいって感じなのかな。このシリーズ、2003年のTCCグランプリ、2004年TCC賞とコピーライター業界で高い評価を得た広告でもある。

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小野選手は、2006年までオランダで活躍、浦和→ボーフム(ドイツ)→清水→シドニーを経て、2014年に札幌へ。沖縄への移籍も21世紀のはじまりに世に出たカローラの有名なコピー、「変われるって、ドキドキ。」みたいな気持ちで沖決めたのかもしれない。(令和の新時代にも符合する普遍的なコピーだ)

小野選手、札幌を盛り上げてくれ、ありがとうございました。

年齢の功罪。

 

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50近くになると、会社ではそれなりの立場になり、公私ともに年下と接する確率が高くなる。そして歳を重ねるほど、ダメだしをされなくなっている気がする。ふるまいは、昔とそんなに大きくは変わってないのに。むしろ、ほめられちゃったりして。すごいですね、とか、さすがですね、とかとか。

経験が増え、間違いの少ない判断ができるようになったかもしれないけど、決して最適解を導き出しているわけじゃない。立場がひとをつくるというか、見えている範囲が多少広くなっているのかもしれないけど、触れられる情報が若い人とは非対称なだけ、とも思う。

この状態って、楽だし心地いいし、気分もよくなりがちだから、なおさら安住しちゃう。これは、まさにハダカの王様状態になりうるあぶないことかもしれない。王様はハダカだ!と素直に言えるこどもの視点を持たなくちゃいけない。少年の目はいつまでも必要なのだ。

ひとにやさしく。

ここ最近、アイドル、お笑い、アニメ、youtuberといったエンタメに関する、なんともやるせないニュースが続いている。これらの事実もさることながら、報道のされ方や受け止められ方も含めて、やるせない。ルールを逸脱していなければ何でも許されるわけじゃないし、商品、サービス、名前を売るために何でもありでもない。ひとりの人間として、何をされたら悲しくなるか、ひとにやさしくってどうゆうことか、考えなくてはいけない。ブルーハーツ的には、心の中でガンバレって言うこともやさしさのひとつだと思う。

 

こんな気持ちを和らげてくれるのは、やっぱり人の言葉だ。

 

西武百貨店の2002年の旅行キャンペーンのキャッチコピー(C: 岩崎俊一さん)

「ふだんなら、笑っていない時間です。」

今なら、旅だけでなく、働き方改革の休暇取得促進にも使えそう。

 

マックのハッピーセットでもらえる絵本のキャッチコピー(C:堀井沙也佳さん)

「読み聞かせ。寝たら、成功。寝なかったら、大成功。」

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レトリックが効いてるコピーだなぁ。どっちも成功かよと、裏切りにツッコミたくなるけど、読後感はホッコリ。育児に大変な親の立場からすれば、寝てもらった方が、ホントは大成功だったりするけれど。

 

ひとにやさしく、いきたい。

半歩先に。

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男子のトイレは、スプラトゥーンだ。きたない話だけど、いったん放たれるとミクロレベルのミストが周りに飛び散っているし、完璧に的を外す輩もいて、けっこう無法地帯と化す。

居酒屋とかの男子トイレには「半歩前でお願いします」という張り紙をみることが多い。一歩前だと、そんなん言われたくないやと否定したくなるけど、半歩だと、協力しようかな、なんて気持ちになりがちなので、とてもうまい表現だと思う。

もうかなり昔のことだけど、国際的なプロジェクトに関わっていたとき、それはそれは忙しく、前例もないから、みないっぱいいっぱいで毎日を過ごしていた。なんとか成功裏にプロジェクトを完遂したあと、チームメンバーの後輩から、一緒に仕事ができてよかった、いつも自分の半歩先を歩いてくれて頼もしかった、という趣旨のことを言われた。そのとき僕は、嬉しい反面、「半歩」ってとこに引っかかり、ちょっと微妙に感じたことを思い出す。すぐに手の届く範囲なんだけど、奥ゆかしい女性が男性をたてるためにあえて半歩下がるみたいな風にとらえたからかもしれない。

でも、今は思う。あれは最高のリスペクトだったんじゃないかと。一歩も二歩も先に行くひとは、すごいけれど追いつくのは大変だから、めんどうくさい。でも、想像の範囲をちょっと超えるくらいの半歩なら、道しるべになるし、ついていけば前に進めるくらいの距離感。

僕は、鈍足ではあるけれど、一歩より大きな半歩を意識して進んでいきたいなと思う。

綿毛粧。

東京は梅雨入りですか。梅雨知らずなこの時期だけはホントに北海道の気候を自慢したくなる。よさこいソーラン祭りも好天のもと、フィナーレを迎え、これからますますいい季節がやってくる。テンション上がるなぁ。

会議中、開いた窓から綿毛が入ってきてフワフワと舞っている。散歩路には、綿毛がびっしりとしきつめられていて、季節外れの雪が積もっているようにもみえるし、くやしいことがあって、枕や布団カバーを破り、羽毛が散らばってるようにもみえる。何もかもが前向きに進んでいくなかで、少しだけ後戻りしたらどうだい?と言われてる感じもする。

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以上、ポプラの綿毛だらけの北海道から、レポートでした。